「生きがい」が体も心も若返らせる!?

徳島県の過疎の町を「葉っぱ事業」で再生させた横石知二さんといえば、
その業績がテレビや雑誌でも多く紹介されていますから、ご存知の方も多いと思います。

横石さんが昭和54年、二十歳で上勝町に農協職員(現JA)として赴任し、そこで見たおどろきの光景とは、60代~70代の男性が、朝から役場に集まって酒を飲み、専業主婦の女の人たちは、ひまがあるので、嫁や誰かの悪口を朝から晩まで話しているようすだったそうです…

そのときのことを本文より抜粋すると。

『ひまがあることが、いかにいけないか。ひまが続くことが、人間にとってこんなにも悪く作用するのかということを、そのときものすごく感じた。忙しいということは、やっぱり大事なことなのだ』
『これはなんとかせなあかん』『このままではダメだ』

その後、さまざまな苦労や試行錯誤を繰り返して、町はどんどんよくなっていくのですが、興味深いのはそこで働くおばあちゃんたちが変わっていく姿です。

始めは、反発していた人たちもある天災をきっかけに、だんだん横石さんを信頼していくようになります。
4人のおばあちゃんたちで始めた、料亭などで使う「つま」という葉っぱを売る事業も、口コミで広がり、しだいに他の人たちも興味を持ちだしました。

初めて、視察で高級料亭にいったときには、もんぺ姿で髪もボサボサだったおばあちゃんたちが、毎年料亭めぐりを続けるごとに、化粧やオシャレをしだして想像もできないくらいに変わってきたそうです。

また、仕事が忙しくなることで、毎日のように行っていた診療所やデイサービスを利用する人も減り、悪口を言っているひまさえなくなる状態に。

今では、おどろくことに年収が1000万円以上の方もいるそうです。

横石さんの話では、みんなこの仕事が生きがいになって、頭も体も若返ってきているのではないかということ。

進行性の脊髄の難病にかかっていた人も『運動にもなるし、できるうちはがんばりたい』と出荷作業をし、頭に腫瘍ができて、一時は歩くこともできなかった人が、手術後の静養もそこそこに仕事を始め、一人で歩けるまで回復したという話も紹介されています。

ある、おばあちゃんの話では『病は気からと昔から言うだろう。80も過ぎたら、
ほらみんな体のどこかは痛いところがある。ほんでも朝起きて、今日はこれやりたと思うことがあったら、体の痛さは消えて、苦にならんでよ。なにもせんでええって言われるんが一番つらい』

心と体は深い関係があるとよくいわれていますが、たくさんの例をみると納得させられました。

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