新たな国民病CKDとは?

「CKD」とは慢性腎臓病のことを指す言葉です。

今まで慢性糸球体腎炎や、糖尿病性腎症など、個別の病名で呼んでいた慢性の腎臓病を、まとめてCKDと呼ぶようになりました。

「腎臓の機能が正常の60%未満に低下していること、または、尿異常、特にタンパク尿が出ている状態が3ヶ月以上続く状態」と定義されています。

現在、日本には約1,330万人ものCKD患者がいるといわれ、これは成人の約8人に1人にあたる数字です。

また、透析療法を受けている方は増加傾向で、2010年には、30万人を超すとの予想から、慢性腎臓病が新たな国民病といわれるゆえんです。

困ったことに、CKDは自覚症状がなく進行し、放置したままにしておくと、末期の腎不全となって、透析療法や腎臓移植を受けなければならない状態になるので、注意が必要です。

しかもCKDになった人は、2~3倍も脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患が起こりやすくなることも分かっているそうです。

CKDを早期に発見する方法は「クレアチニン」の値を調べること。

クレアチニンとは、血液中の老廃物の一種で、通常は腎臓でろ過され、ほとんどが尿として排泄されますが、腎機能が低下している状態では、血液中に蓄積されてしまうため、そこから腎臓の働き具合をチェックすることができるのです。

血液中のクレアチニンを「血清クレアチニン」といいますが、健康診断をしたときにこの数値が上がっていないかを確認するようにしましょう。

予防のためには、血圧と尿検査が重要ですから、定期的に尿検査をされることをおすすめします。

■ こんな尿には注意しましょう

【赤っぽい、または茶色】
血液がまじっているため、急性・慢性腎炎または腎臓ガン、腎臓結石の疑いが。
尿も泡も濃い黄色肝臓や胆道の病気も考えられます。

【白く濁っている】
濁りの原因は、細菌や白血球の残骸。腎盂腎炎や、ぼうこう炎の場合があります。

【ツンとするにおいがある】
ぼうこう炎などで、細菌が繁殖すると、ツンとした刺激臭がすることがあり、
尿路感染症の疑いがあります。

【甘酸っぱいにおいがする】
糖尿病の疑いが。体内で糖の代謝異常があると、肝臓で脂質を多く利用するため、
ケトンという代謝物質が尿の中に出て、甘酸っぱいにおいがします。

【沈殿物がある】
腎臓結石、尿路結石があると、結石のかけらが混じることが。腎盂腎炎や
ぼうこう炎などの感染症でも沈殿物がまじることがあります。

【泡が立っている】
タンパク尿が疑われ、腎臓病の場合があります。

※予防医学学術刊行物「ほすぴ」参照

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コメント

  1. みよ より:

    透析の看護師です。私もCKD対策に取り組んでいます。まだまだ認知度が低いのが課題で、認知と病識理解を目的にCKD看護指導外来をはじめました。ご指導ください

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