腸管出血性大腸菌「O157」予防のポイント

先日、O157に感染した女児が亡くなりました。子供を持つ親としては、他人事とは思えません…

食中毒は夏だけに起こりやすいと思われがちですが、気温が低くなるこれからの季節でも発生することが多く、一年を通して注意が必要です。感染予防のためにも、O157の基本知識と正しい対策を確認しておきましょう。

■ O157の特徴

・強力な感染力
胃酸の中でも生き残り、少ない細菌数でも感染する

・強い毒素の産生
ベロ毒素と呼ばれる毒素を産生し、出血をともなう腸炎などを起こす

・潜伏期間が長い
潜伏期間が4~9日と長く、原因食品・感染源が特定されにくい

■ O157の症状

4~9日の潜伏期間の後に、激しい腹痛、水様性下痢、血便、発熱などの症状があらわれます。

特に乳幼児と高齢者は重症化や合併症を起こしやすく、死亡することもあるため、激しい腹痛や血便がみられる場合いは、早めに医療機関で受診しましょう。症状がなくなった後も1~2週間は細菌が腸の中に存在し、便に排せつされるため、家族感染には十分な注意が必要。

■ O157の感染経路

飲食物による経口感染。O157は肉や魚介類、飲料水など幅広く生息していますが、牛や豚などの家畜の糞便から土壌にうつり、野菜や食物を汚染します。人から人への空気感染や接触感染はありません。

■ O157の予防方法

食中毒予防の3原則は「菌を付けない・菌を増やさない・菌を殺す」。次のようなことに気をつけましょう。

・手洗いを徹底する
・調理器具を消毒する
・食品の鮮度を保つ
・食肉は75℃で1分以上の加熱
・野菜と生肉で同じ包丁やまな板は使わない
・タオルや衣類の共有は避ける
・トイレや洗面所、ドアノブなどはこまめに消毒する

食中毒予防のポイント

また、家族の中に患者がいる場合の二次感染予防としては

・患者の糞便の処理はゴム手袋を着用して行う
・患者が使用した寝間着、下着等は、他の家族のものとは別に漂白剤につけてから洗濯する
・入浴は家族と一緒を避け、最後に入る
・タオルの共用はしない
・トイレのドアノブ、水を流すレバー、電気のスイッチなどは念入りに消毒するなど

ちなみに、食後の食器を水につけたままにしておくと、環境によっては雑菌が10万倍になるという話もあります。まずは、家庭内を清潔にする習慣をつけましょう。

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